この古代ジャワの カウィ文字がボロブドゥール建立年代を知らせてくれる有力な手がかりである。 旧基壇に刻まれた文字はインドの パラヴァス王朝で7~8世紀にスマトラ島とジャワ島に伝わり9世紀頃になるとジャワ各地で使われた。 しかしボロブドゥールには旧基壇以外には文字が残っていない。 旧基壇の浮彫が完成直前に平方の上のメモが消されないまま文字が奇跡的に残った。 旧基壇壁面の浮彫は『分別善悪報応経』を元に彫刻されているが、サンスクリット語の原典の内容は非常に抽象的である。 従って、抽象的な仏教経典を具体的な浮彫で表現することは決して容易な事ではない。 例えば経典には地獄の 8大地獄とその中にそれぞれ16個の地獄がある。 しかし各地獄の詳細な姿は『分別善悪報応経』には具体的な記録がない。 そのため、旧基壇の160面浮彫には経典の出処がわからない部分も多い。 個々の浮彫の解釈にも多くの異見がある。しかし人間死後の天上界と地獄を描いた分かりやすい場面もある。 特に地獄に落ちる業報の中に 無門地獄に落ちる「 五業」には『分別善悪報応経』に具体的に記録されている内容を浮彫している。 現世での人間の悪業は「十悪業」があり、このような悪業によって人間は死後地獄へ行くと教えている。 一方、160面の浮彫中には人間が行う善業も強調している。 言い換えれば布施( 六波羅蜜の一つで、施しをすること)、聞法(仏の教えを聴聞すること)、恭敬(慎み敬うこと)の光景を多く描いている。 この浮彫内容は当時人々の理想的善業行為であった。 人はこのような善業(因)によって死後天上界に生まれ変わることができる(果)と言う内容である。 最後の部分の35面は天上界の光景を具体的に描いている。 現在公開されている4面半のパネル(O 19~23)は因果応報の話である。 浮彫 O 21には人の悪口を言う醜い顔を描き、その上部に カウィ文字で「醜い顔」(VIRUPA)という文字が刻まれている。 また酒に酔って乱暴を働く人と病気になった人を看病する人を刻んで飲酒を注意する場面もある。
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