【 サン・マルコ美術館(修道院)】
元ドメニコ会のサン・マルコ修道院は、 今は美術館になっていて画僧フラ・アンジェリコのフレスコ画を多数見ることができる。 とくに「受胎告知」は、階段途中の踊り場を曲がるとまったく突然に目に飛び込んでくる。 壁に描かれたその清らかなフレスコ画は、フラ・アンジェリコが1440年から1450年頃にかけて制作した傑作である。
フラ・アンジェリコの「受胎告知」
サン・マルコ教会は14世紀に創建され、15世紀の初めにはドメニコ派のフィレンツェにおける拠点となった。 同世紀半ばにはコジモ・デ・メディチの依頼でミケロッツォが聖堂と付属修道院の工事に着手している。
このサン・マルコ教会の隣にサン・マルコ美術館(元修道院)があり、フラ・アンジェリコの素晴らしい美術館となっている。
ミケロッツォのプランをよくとどめるこの修道院は、二人の修道士によって名を知られている。 一人は前述の画僧フラ・アンジェリコ、もう一人は修道院がメディチ家の大きな援助を受けていたにもかかわらず、同家の政治的独裁や当時のフィレンツェの異教的、享楽的な文化を舌鋒鋭く批判したサヴォナローラだ。
美術館の入口を入ったところに「聖アントニーノの回廊」といわれる回廊があり、その4隅にはフラ・アンジェリコの 「十字架像に祈る聖ドミニコ」をはじめとするフレスコ画が描かれている。
聖アントニーノの回廊
回廊の南側には祭壇画を集めた部屋が並び、アンジェリコの「キリストの十字架降架」や天使に囲まれた聖母を描いた「リナイオーリの祭壇画」、「サン・マルコの祭壇画」などが展示されている。
キリストの十字架降架
リナイオーリの
サン・マルコの祭壇画
祭壇画
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北側の回廊には聖堂参事会員の部屋Sala Capitolareがあって、ゴルゴダの丘で磔になったキリストの下にマリアや聖人達とともに ドメニコ派の修道僧が描かれたアンジェリコの大作「キリスト磔刑図」がある。
キリスト磔刑図 |
階段の上がり口に小食堂があり、ギルランダイオのフレスコ画、「最後の晩餐」がある。 透視画法によって画面の出来事は現実の空間の延長上に展開しているかのように見える。 階段を登ったところにあるフラ・アンジェリコの「受胎告知」は冒頭で既に案内したとおりだ。
最後の晩餐 |
2階廊下の左右には修道士たちが寝泊まりしていた庵室(いおり)が並ぶ。その庵室にフラ・アンジェリコがフレスコで装飾を施した。
2階廊下
庵室内
アンジェリコの直筆とされる第1室の「我に触るな」、第3室の「受胎告知」、第6室の「キリストの変容」、第7室の「茨の戴冠」、第9室の「聖母戴冠」はコジモ・メディチがしばしば引きこもった部屋で、アンジェリコの壁画「マギの礼拝」には、 B.ゴッツオリも参加している。 第12~14室は修道院長の部屋で、サヴォナローラの遺品が収められている。 また、途中にはミケロッツォによる優美な図書館がある。
第1室 第3室 第6室 第7室 F.アンジェリコの F.アンジェリコの F.アンジェリコの F.アンジェリコの 「我に触るな」 「受胎告知」 「キリストの変容」 「茨の戴冠」
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第9室 F.アンジェリコの F.アンジェリコとB.ゴッツオリの壁画 「聖母戴冠」 「マギの礼拝」 |
第12~14室
修道院長の部屋
(サヴォナローラ)
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ミケロッツォによる図書館 |
サン・マルコ美術館の展示作品は☛こちら
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